2006年10月16日
10月16日(月) くにまる音楽温泉
◇本日のお言葉◇
「何事によらず、明日にのばせる事は、明日にのばした方がいい」 内田百閒
これまで数多くの名言をご紹介してきましたが、これぞ、名言中の名言といっても良いのではないでしょうか。勤勉こそ成功への鍵であると考えたアメリカ建国の父、ベンジャミン・フランクリンは、「今日やることを、明日に延ばすな」と言いました。確かにその通り、できることを早め早めにやっておくことが、結果的には成功につながる。これは真理でありましょう。
しかし、この言葉には、日本人が千年以上の歳月をかけ、作り上げてきた、伝統的な「余裕」が感じられます。急いては事をし損じる。果報は寝て待て。一度きりの人生をどうせなら楽しく生きていきたい。これもまた、真理ではないでしょうか。
黒沢明監督の遺作「まあだだよ」のモデルとなった文学者、内田百閒は、1889年(明治22年)岡山生まれ。東京帝国大学在学中に、かの夏目漱石の門弟となり、卒業後は陸軍士官学校・法政大学などで教官を勤め、また自らも創作を始め、「冥途」などの作品を発表します。その一方で、若い頃から大変な借金の名人として知られ、お金を借りることを「錬金術」と呼び借金モノの随筆を数多く発表。
また鉄道や飛行機などのマニアとしても知られ、列車に乗りたいというだけの理由で大阪へ出かけ、芸術院会員に推挙されると「いやだからいや」と拒絶。無理をせず生きたい様に生きた、人生の大先輩であります。
◇本日の曲◇
「昨日・今日・明日/井上順」
井上順の「昨日・今日・明日」は、1971年(昭和46年)のヒット曲です。井上順の当時の名前は「井上順之」でした。
投稿者 joqr : 2006年10月16日 12:00