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2020年07月17日

第163回直木賞は『少年と犬』に決定!


直木賞は馳星周さんの『少年と犬』に決まりましたね。
おめでとうございます!

本好きの間ではよく知られた話ですが、馳さんは若い頃、
ゴールデン街の『深夜+1』というバーで店員をしていました。
故・内藤陳さんがやっていたこのバーには当時、いまでは大御所になった
エンタメ小説の作家たちが毎晩のように通っていました。
彼らの薫陶を受けた馳さんも、後に作家になりました。

ですので「いつかは馳星周に直木賞を」というのは、
先輩作家みんなの思いだったのではないでしょうか。

宮部みゆきさんが選評でおっしゃっていたように、
犬を安易に擬人化せずに書いているところは確かに素晴らしいと思います。
また自然災害が猛威をふるう時代だからこそ、読まれるべき作品でもあります。

選評によれば、『雲を紡ぐ』『じんかん』が次点だったとのこと。
よくよく考えると、ぼくの推した『雲を紡ぐ』は、本屋大賞向きかもしれません。
ということで、来年の本屋大賞に向けてぜひ『雲を紡ぐ』も読んでみてください。

投稿者 yomehon : 2020年07月17日 07:00