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2020年01月15日
直木賞は『熱源』が受賞!
第162回直木賞は、川越宗一さんの『熱源』が受賞しました。
おめでとうございます!
予想通り……と言いたいところですが、
今回は実績のある湊かなえさんも有力視されていました。
実際の選考過程がどうだったのか気になります。
先日も書いたように、
『熱源』が受賞作に相応しい作品であることは間違いありませんが、
今回はちょっとした追い風も吹いたような気もします。
追い風−−それは麻生副総理兼財務相の失言です。
そう、「日本はひとつの民族」というあの発言です。
おそらく麻生氏の失言は、選考会でも話題になったのではないでしょうか。
そして、政権の重鎮からこういった発言が出てくることに危機感を抱いたはずです。
麻生氏の失言のおかげで、この作品の価値がますます上がったのではないか。
そんなふうに想像するのです。
ともあれ、『熱源』は史実を踏まえて書かれた小説ですし、実在の人物も多数出てきます。
この作品を読んだ人は、「日本=単一民族」などという見方が事実無根だということがよくわかるでしょう。
広く読まれてほしい作品です。
一方、かたいと思っていた芥川賞は外してしまいました。
古川真人さん、おめでとうございます。
投稿者 yomehon : 2020年01月15日 22:00