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2018年01月17日

直木賞&芥川賞(の一部)的中! 


第158回直木賞は、門井慶喜さんの『銀河鉄道の父』(講談社)が受賞しました!

ついでに予想した芥川賞も若竹千佐子さんの『おらおらでひとりいぐも』(河出書房新社)が受賞!

石井遊佳さんとの同時受賞までは予想できませんでしたが、ともあれ皆さんおめでとうございます!!

『銀河鉄道の父』は、
宮沢賢治の父・政次郎に初めてスポットを当てたことと、
そこで描かれたのが決して特殊な父親像ではなく、ぼくたちとなんら変わらない父親であったこと、
つまり読者が共感できる普遍的な父親像を提示できたことが素晴らしかったと思います。

威厳のある父親を演じながら、その実、子どもたちのことが心配でたまらない。
本作ではそんな姿が時にユーモラスに描かれていますが、
一方で政次郎が娘のトシと賢治を相次いで亡くすという悲しみに直面したことも忘れてはいけません。

この小説には書かれていませんが、
先日蓮如賞を受賞した今野勉さんの傑作評伝
『宮沢賢治の真実 修羅を生きた詩人』(新潮社)によれば、
トシは地元の学校に通っている時に恋愛スキャンダルに巻き込まれ、心を病んだりもしています。

政次郎はきっと父親としていろいろなことを背負っていたのではないでしょうか。

誰かの父親である人はもちろん、
そうでない人も自分の父親を思い出しながらぜひ読んでいただきたいと思います。

芥川賞受賞作については、また機会をあらためてご紹介しますね。

最後にお三方に重ねてお祝いを申し上げます。
おめでとうございます!!!

投稿者 yomehon : 2018年01月17日 19:00