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2015年07月18日
第153回直木賞は『流』に決定!
第153回直木賞は東山彰良さんの『流(りゅう)』(講談社)に決まりました!
初エントリーでの受賞。
しかも聞くところによれば選考会では満票だったとか。
本当におめでとうございます。
予想はダブル受賞でしたから、
またしても予想を外してしまったことになりますけど、
そんなことはどうでもいいのです。
選考委員の北方謙三さんも「20年に1回の作品」とおっしゃっていたように、
『流(りゅう)』はおそらく、今後の東山彰良さんのキャリアの中でも代表作になること間違いなしの大傑作!!
ぜひぜひ手にとっていただきたいと思います。
一方、芥川賞は、
又吉直樹さんの『火花』と羽田圭介さんの『スクラップ・アンド・ビルド』が同時受賞。
『火花』は受賞と同時に100万部を突破したそうです。
その前がたしか60万部ほどでしたから、賞の勢いというのはスゴイですね。
翌朝の新聞各紙も又吉さんの受賞を大きく取り上げていましたけど、
個人的に気になったのは、同時受賞の羽田圭介さんのこと。
あまりに扱いが薄すぎるんじゃないでしょうか。
又吉さんの『火花』は、彼が根っからの純文学ファンということもあって、意外とオーソドックスな作品です。
生真面目に純文学のスタイルを踏襲していて、
「芸人の書いた小説だから爆笑できるに違いない」と期待して読むと肩透かしを食らうでしょう。
もちろん素晴らしい作品ですし、
こういう正統派の純文学が特に若い世代に読まれるというのは歓迎すべきことです。
一方、羽田圭介という作家は、これまでの作品から推察するに、
とてつもないナチュラル・ボーン・アブノーマルな人物だと思うわけです。
記者会見でも、恥ずかしそうに微笑む又吉さんの隣で、
あまりに感情が見えない表情でたたずむ羽田さんを見て、
「なんかものすごくド変態なことでも考えているんじゃないだろうか」と
激しく想像力を掻き立てられてしまいました。
いやーものすごく気になるな、羽田圭介。
受賞作はまだ単行本化されていないので未読ですが、
おそらくこれもすこぶる変な作品に違いありません。
こちらも発売されたらいちはやくご紹介しますのでお楽しみに!
投稿者 yomehon : 2015年07月18日 09:01