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2014年01月16日
直木賞予想 敗戦の弁 ついでに芥川賞も……。
第150回直木賞が決定いたしました!
受賞作は
朝井まかてさん 『恋歌』(講談社)
姫野カオルコさん 『昭和の犬』(幻冬舎)
が選ばれました。おめでとうございます!!
しかしなぁ……。
昨日のエントリーで、最後まで迷った4作品のうち、
最終的に切り捨てた2作が受賞するとは……。
カッコ悪いったらありゃしない。
いかに「持ってない」男かということを満天下に知られてしまいました。
ああ、恥ずかしい。
(ちなみに朝井さんの作品評は4日前のエントリーを。
姫野さんの作品評は2日前のエントリーをご覧ください)
今回は150回という大きな節目だったわけですが、
選考結果をみるとやはり節目らしさは感じられましたね。
(あとづけの理屈かもしれないけれど)
従来の受賞作がオーソドックスにまとまった直木賞らしい作品だとすれば、
今回は、大器を感じさせる骨太な作品(朝井さん)や、
文壇の動きとは無縁な孤高の作家の作品(姫野さん)が選ばれました。
また偶然かもしれませんが、
今回の受賞作はいずれも女の人生を描いたものですね。
かたや幕末から明治、かたや昭和から平成、
どちらの主人公の人生も読者に感動を与えてくれるのは請け合いです。
(魂をふるわせるような感動と、深く味わい深い感動の違いはあるけれど)
芥川賞も未来志向の選考結果でした。
小山田浩子さんは昨年出た『工場』(新潮社)が
本好きのあいだで大評判になった期待の若手。
読んでいると時間や空間が歪んでくるような不思議な作品世界を構築する作家で、
間違いなくこれからさらに大きくなる作家です。
(ちなみに読むなら受賞作の「穴」よりも『工場』のほうがおススメです)
ただ、新しい才能が世に出るのは喜ばしいけれど、
だったら、いとうせいこうさんのような方を候補に選ぶのはどうなのかとは感じました。
だって実績やキャリアがひとりだけ突出してるんですもん。
これではいくらなんでも、いとうさんに失礼。
次回からは候補者は若手や新人で統一すべきではないでしょうか。
ま、なにはともあれ、新しい傾向の受賞作が選ばれたことに拍手!
おめでとうございました!!
投稿者 yomehon : 2014年01月16日 20:04