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2014年01月15日

第150回直木賞の受賞作はこれだ!!


いちど口に出してしまったことは取り消せないのが生放送の恐ろしさであります。
今朝の『福井謙二グッモニ』に出演する直前まで、ぼくは迷っておりました。


最後まで迷ったのは以下の4作品です。


朝井まかて 『恋歌』(講談社)

伊東潤 『王になろうとした男』(文藝春秋)

姫野カオルコ 『昭和の犬』(幻冬舎)

万城目学 『とっぴんぱらりの風太郎』(文藝春秋)


なんといっても今回は記念すべき150回。
だからダブル受賞ではないかと思うのです。

まずやっぱりこの人かなと思うのは、伊東潤さん。
前回からもうとっくに機が熟しています。
まず受賞は間違いないのではないか。


そしてあと一人・・・・・・


個人的には今回、朝井まかてさんの筆力に驚かされたんですよね。

特に牢屋に捕らわれの身となった主人公が目撃する凄惨な処刑シーンなどは
いまでも夢でうなされるくらいインパクトがありました。

ただ、この作品にはひとつだけ気になって仕方ない点があるんですね。

それは一連の物語が、主人公・中島歌子の書いた手記(というか私小説)のかたちで
語られるんですが、明治の時代に書かれたものにしては、文章が新し過ぎるんです。

「この時代を描いた小説でこんな表現は使わないよ」というのはよく選考会でも指摘が出るところで、
ぼくはこの作品に関してもそこがマイナスに評価されるのではないかと考えました。

これがポップなネオ時代小説だったらまだ目をつぶれますが、
正統派なたたずまいをしている小説だけに余計この点が目に付いてしまうというか。


そして姫野カオルコさん。
もう何回も候補になっていて、いつ受賞してもおかしくない方です。
でも150回にふさわしい華々しさは、今回の候補作にはないんですよねー。


万城目学さん。
彼の作品も時代小説の保守本流からみればツッコミどころは多々あるかもしれません。
でも、ネオ時代小説にくくれるような作品ですし、
直木賞が今後、若く新しい読者を獲得していくためには、そろそろこの手の時代小説にも
門戸を開くべきだと思うのです。


そんなことをつらつら考えたあげく、ついに生放送で宣言してしまいました。

今回の直木賞は、

伊東潤さん 『王になろうとした男』

万城目学さん 『とっぴんぱらりの風太郎』

まさかの文春ダブル受賞で決まりです!!

 

投稿者 yomehon : 2014年01月15日 19:04