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2006年07月15日

直木賞予想は50点

ダブル受賞も予想どおりだった。

森絵都の受賞も想定内だった。

しかしもうひとりを外すとは・・・。


第135回直木賞の受賞作が決定しました。

三浦しをん 『まほろ駅前多田便利軒』(文藝春秋)
森絵都   『風に舞いあがるビニールシート』(文藝春秋)


伊坂幸太郎さんは今回も受賞を逃してしまいましたね。
まだ各選考委員の選評を目にしていないのですが、
もしかしたら彼らには、作品の重要なモチーフだった「ロック」が理解できなかったのかもしれない。
やっぱ渡辺淳一センセイはラモーンズは聴かないよなぁ・・・。


前回も書きましたが、今回の候補作を純粋に完成度だけでみると、
圧倒的に抜きんでていたのは、宇月原晴明さんの『安徳天皇漂海記』でした。

この作品はすでに第19回山本周五郎賞を受賞しています。
選考委員の北村薫さんは、
「大きく、豊かな物語の海を漂う楽しみがあった。最も飛び抜けていた作品」
と評していますが、同感です。

ただしこの作品は読者を選びます。
いっぽう直木賞にふさわしいのは、誰が読んでも面白く読める作品です。

その意味では、今回の受賞2作品はどちらもたいへんに読みやすく、そこそこに面白く、
実に直木賞らしい受賞作といえるかもしれません。

でもなぁ。
なんか選ばれた作品はどちらもすごくオーソドックスなんですよ。
それじゃ面白くないと考えて、より深みのある森作品を残し、
ちょっと毛色の変わった青春小説をくっつけたのがぼくの予想だったんですが。

選考委員のセンセイがたにはもっと冒険してほしかったっす。


投稿者 yomehon : 2006年07月15日 00:05