4月17日放送分後記

皆さま、こんにちは。安藤和津です。
今回お迎えしたゲストは、先週に引き続き、
劇団新派を率いる女優・水谷八重子さんでした。

高校生のとき、水谷良重の名で女優・歌手としてデビューされた水谷さん。
当初、大女優であったお母様からの教えは、この二つだけだったそうです。
「本当にその役になりきりなさい」。「良重に戻ってはいけません」。
お母様は、舞台をつくる上で最低限のルールは厳しく教えながらも、
髪型や衣装などはほとんど水谷さんの“個性”に任せていたのだとか。

芸の上で、お母様に怒られた思い出といえば「泣き」の演技だったそうです。
水谷さんいわく、
「良かれと思って花柳章太郎先生の真似をしたら、やめなさい!と怒られました」。
花柳先生といえば、新派を支え続けた名女形。
しかし、「男性が女として泣く芸と、生身の女性が女として泣く芸は違う」。
お母様はそうおっしゃられたそうです。奥が深いですよね。

お母様は、新派の伝統や歴史をあとに伝えていく使命を持っておられました。
そして1995年、二代目・水谷八重子として、
そのバトンを引き継いだのが現在の水谷さんです。

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ちょうどオンエアの前日がお誕生日だった水谷さんは、現在73歳。
「先週とは違う私なんです」という謎かけのようなお言葉に、
番組冒頭から脇腹をコショコショとくすぐられるような気持ちでした(笑)
水谷さんのような先輩方のお話をうかがう度、
本当に元気と勇気をいただいています!

そんな水谷さん出演の舞台、新派喜劇公演『三婆(さんばば)』が、
4月14日より大阪松竹座で行われます。
詳しくは劇団新派のホームページをご覧くださいませ。
元気な「三婆」による舞台は、きっとパワーをもらえますよ!

さて、次回は、東尾理子(ひがしお・りこ)さんをお迎えします。
どうぞお楽しみに!

2011.04.18

安藤和津 トークマルシェ

安藤和津さんがさまざまなジャンルで活躍されている方をお迎えして、その時々に興味と関心の高い話題を伺います。安藤和津さんは、エッセイストとして、二人の娘の母として、俳優・映画監督の妻として、CNNの元ニュースキャスターとして、母の介護をしてきた女性として・・・いろいろな視線で優しく面白くインタビューしています。日曜日の朝、トークのマルシェ(市場)へようこそ。


プロフィール

東京生まれ。初等科から高校まで学習院に学ぶ。
上智大学独文科卒業後、イギリスに留学。エッセイストやコメンテーターとしてテレビ番組に出演。夫は、俳優・映画監督の奥田瑛二氏。著書は『女盛りは子育て盛り-Momoko&Sakura』文化出版局、『月うさぎ』奥田瑛二絵、あすなろ書房、『あいうえお-安藤和津の主婦と生活』PHP研究所、『愛すること愛されること』講談社、『てきぱき家事絵本』小学館、『忙しママの愛情レシピ121』講談社、『愛すること愛されること』講談社<講談社文庫>、『さくらうさぎ』奥田瑛二絵、ミキハウス、『オムツをはいたママ-母との愛と格闘の日々』グラフ社、『長い散歩』学習研究社 など