10月11日放送分後記
みなさまこんにちは! 安藤和津です。
今回、マルシェにお迎えしたゲストは、
直木賞作家の【森絵都さん】。
森さんは児童文学から大人の小説まで
作品の幅がものすごく広い小説家です。
森さんが直木賞を受賞した
「風に舞いあがるビニールシート」は
もちろん、児童文学の作品も読んで
いましたが本当に1人の人が書いたの?
と疑ってしまうほど、1つ1つの作品の色合いが異なり、
なおかつ、それぞれの作品の個性が光って面白いんです!
こうなると、森さんはこれまでに
どれだけたくさんの本を読んで
小説家としての肥やしにしてきたのか
興味があったのですがお話をうかがって
ビックリ。
森さんは、小・中・高と本を
ほとんど読まなかったんだそうです。
高校卒業後、専門学校の児童文学コースに
入ってからは多くの作品に触れて修行は
されたそうなんですが、
もっとも感受性豊かな青春時代に
まったく本に触れなかった森さんが、
なぜ今たくさんの素晴らしい作品を
生み出せるのか?
その謎の鍵は、おそらく「観察力」。
森さんご本人は「のんきだった」と
おっしゃっている少女時代のお話を
うかがうと、とても詳しく、深く、
まわりを見ていることに気づきました。
持って生まれたアンテナの鋭さが本質的に他の人とは
違うのだと思います。
だから、本は読まないのに作文が得意だった
というエピソードもうなずけます。
児童文学は感性の根っこの部分が大きくないと
書けないジャンルだと思うんです。
森さんは本を読まずに人を観察し、
全ての体験を心の中にためこんで
きっと発酵させていたんでしょうね。
だからこそ今、人の心にうったえる
たくさんの作品を書けるんだと思います
さて次回は、番組の後半では、
森さんが初めてお書きになった
ノンフィクション「君と一緒に生きよう」をもとに
犬の保護ボランティアについてうかがいます!
どうぞお楽しみに。