6月7日放送分後記
みなさまこんにちは!
今回のゲストは、医師で登山家の今井通子さんでした。
学生時代から本格的な登山をはじめ、
1967年、世界で初めて女性パーティーの遠征隊長として
アルプス・マッターホルン北壁の登攀に成功したことを皮切りに、
女性として初のヨーロッパ3大北壁を制覇とそうそうたる実績
(’69年アイガー北壁、’71年グランドジョラス北壁)
を誇る今井さんはそんじょそこらの男もかすむこの経歴からは、
どんなマッチョな?女性と思いきや
外見は全然小柄で日焼けしたお顔にはちゃんとメイク!
今井さんのどこから世界中の山を制覇するほどのバイタリティが
溢れ出てくるのか?以前から気になっていたんですが、
今回お話をしてみて、今井さんのご両親とくにお父様に力の源が
あるんじゃないかと思いました。
群馬出身で自然が大好きのお父様、満洲出身で自然が苦手のお母様。
今井さんはそんなご両親の間に生まれました。
今井さんご自身は生まれも育ちも東京という都会っ子なのですが、
お父様の意向で週末は毎週のように山やスキーに連れだされました。
そして、お父様の教えはまさに獅子がわが子を千尋の谷につき落とす
という言葉を思い出すほど、突き放したものだったようです。
その中で、今井さんが獲得したのが、モノゴトを全体として捉える力。
目の前にあるモノだけじゃなく、遠くまで見渡し、全体としてとらえ、
その中で自分のポジションをしっかりつかむ力は、教科書や言葉では
なかなか習得しようと思ってもできるもんじゃありません。
これを今井さんは、脳の中でイメージを“映像として焼き付けておく”
と表現していました。言葉ではなんとなくわかっても難しいですね!
この力が後に医大に受かる理系の頭と、物事を1つ1つ冷静に着実に
進めていく登山の力を培っていったのではないでしょうか?
だから、今井さんの話の進め方、物事の考え方はいたって理論的。
この部分は女性がもっとも不得意な分野ではないかと思いますが、
今井さんはお父様の薫陶を受けて自然に身についたんでしょうね。
自分を理論的に分析する力と自然の中でも物事を全体で捉える力。
これを武器に今井さんはまるで自分の体を実験しているかの様に
登山に挑んでいます。
登山中も今井さんはわりと冷静で、
「あ、こんなことが出来た・・・」とか「これは無理ね・・・」
と判断できるんだそうです。また、出来た時の喜びがたまらなく
快感だとも言っていました。
登山とは無縁(というかチョー苦手!)な私にもなんとなく登山の
魅力がわかった・・・ような気がしました。
さて、次回は、そんな今井さんでも2回とも失敗した
チョモランマへの挑戦などをうかがいます。どうぞお楽しみに!